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「新宿折々」(平成23年度)

新 宿 折 々 (平成23年4月~平成24年3月)  

 
 
              校長 戸田 弘美
 
 
 
 4月からの新宿高校における学校行事や心に残った事柄などについて、季節の節目ごとに「新宿折々」として報告します。
 
 
4月7日(木)入学式
 春の日差しを受けて、鮮やかに桜の花が咲きそろう中で、素晴らしい入学式を挙行することができました。当日の校長式辞を紹介させていただきます(冒頭の挨拶部分はここでは割愛いたします)。
 
ただいま入学を許可いたしました318名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。そして、保護者の皆様の愛情とご苦労に、深い敬意を払う次第でございます。 わが新宿高等学校は大正11年に東京府立第六中学校として創立し、来年度は90周年    を迎える、歴史と伝統ある都立高校です。多くの本校卒業生が各界で活躍されており、本校の教育活動にエールを送って下さっています。私は、第一に生徒のための、そして多くの皆様の期待にこたえる学校づくりをめざして、教職員一同と共に、精進してまいります。
 さて、新入生の皆さんにまず、現在の学校の様子を紹介したいと思います。本校は今、たいへん勢いがあります。この春の卒業生の、国公立大学、難関私立大学への合格者数は、昨年度より大幅に増加しました。卒業生のひたむきな努力と、先生方の計画的、なおかつ情熱的な指導の賜物です。すでに新2,3年次生 もこれに続いており、学校全体に活気があります。
もちろん、大学進学だけが人生の選択肢ではありません。皆さんには一人一人、将来への夢があるはずです。自分の人生、どう生きるのか、何を目指すのか、まず、しっかりと調べ、考えることから始めて下さい。本校では、計画的なキャリア教育を行い、皆さんを支援していきます。
これからの三年間は、青春を謳歌できる楽しい時間であると同時に、卒業時には自分自身の進路の結果が出る、人生で一度だけの三年間です。大切なこの時を、悔いなき時にするべく、本校では、学習面で皆さんに厳 しい水準をつきつけます。それは、受験に対応できるレベルの高い授業です。家庭学習をしっかりやって、ついてきて下さい。また、本校では、HR活動や学校行事、部活動を、大いに奨励しています。仲間とともに泣き、笑い、切磋琢磨し、目標達成を目指すことが、社会性を身につけた、優しく逞しい人間になるために不可欠であると信じるからです。けじめのある学校生活を送り、学習との両立を図ってください。
さて、新入生の皆さんに、お話しできる機会をいただいたのですから、私の好きな言葉を贈りたいと思います。17世紀、フランスの数学者であり、科学者、哲学者であったパスカルは、誰もが知っている次のような言葉を残しています。「人間は自然のうちでもっとも弱い1本の葦にすぎない。しかし、それは考える葦である。」ここでいう「葦」とは水辺に生える長い葉の植物のことです。パスカルは途上期の数学において、円錐曲線試論や確率論などの大きな業績を残しました。12歳の時、一冊の参考書も見ないで「三角形の内角の和」は二直角である」ことを発見したという楽しい話もあります。パスカルは、人間である私たちの尊厳は、すべて思考のうちにあると言っています。考えることが私たちの生きるあかしであり、私たち一人一人のかけがえのない個性だ、と私はいつも思っています。ぜひ、皆さんが自信を持って、自分の力で考え、行動してくれることを願っています。
 
新入生代表の生徒宣誓は、堂々として立派でした。管弦楽部の演奏と、音楽部の合唱が、入学式に花を添えてくれました。
 
 
 
○ 5月13日(金)運動会
12日(木)が予定していた運動会実施日でした。しかし当日早朝は曇天で、雨が降り出すとの予報。生徒が楽しみにしているので、思い切って翌日に順延としました。信じた天気予報が的中し、12日は昼前から雨が降り出し(朝から通常授業)、13日は快晴。正直、ほっと胸をなでおろしました。運動会は、駒沢オリンピック公園総合運動場(第2球技場)で行われました。生徒総数968名の規模にちょうど良い広さで、周囲の木々の緑が鮮やかで、心地よい環境でした。「新宿体操」を全員で行い、様々な競技が始まりました。特に興味深かったのは、棒倒し、騎馬戦共に男、女、それぞれ競技があることです。男子は逞しさ、力強さを感じましたし、女子は闘志むき出しの姿も見られましたが、これがなぜか微笑ましく感じられました。最後のリレーでは、競技の終わりを惜しむかのように大声援がありました。また、運動会では多くの生徒が「裏方」として汗を流してくれました。体育委員会中心に、生徒たちが熱心に準備を重ねてきました。当日も緊張感を持ち、大声を出し合い、運営に努力してくれたお陰で、競技がてきぱきと進み、後半には時間の余裕さえ、生まれました。私が閉会式で体育委員会の生徒たちを労うと、体育委員長は「皆が協力してくれたお陰」と生徒全員を労いました。仲間をまとめて必死に努力した姿勢、仲間を思いやる精神は、「全員指導者たれ」の校是にふさわしい、まさに運動会のリーダーでした。
本校の運動会は、競技中心の運動会です。運動会の原点のような、爽やかなひと時でした。最後に、大勢の保護者やご家族(505人)の皆様にご参観いただきましたことを、心からお礼申し上げます。
 
 
 
 
 
 ○5月19日(木)バラだより
 正門脇と、校舎南側花壇に、バラが咲きそろいました。新宿高校には約100本のバラがあります。日本初のローズブリーダーとして認められた鈴木省三氏を中心とする卒業生が、学校創立65周年記念にバラ花壇を寄贈したことが始まりです。同窓会有志による朝陽バラ会が中心となり、PTAバラ会も加わり、バラの手入れをしてくださっています。咲き誇ったバラに、正門前を通る人たちが足を止める光景がみられます。バラが見事なので、思わず写真を撮りました。今、中学生向けの学校説明会用のパワーポイントを作成しているので、この写真を最初の画面に使おうと思っています。
 
○5月27日(金)「奉仕」の授業
 本校では、「奉仕」を1年次生の総合的な学習の時間として位置づけています。当日は、新宿御苑での体験学習の初日。中間考査の最終日の午後、生徒は試験勉強で疲れていたとは思いますが、元気に、奉仕活動に参加していました。本校の「奉仕」体験は、すべて、お隣の新宿御苑で行います。清掃、雑草とり、ゴミの分別と、作業は山ほどあります。特に、空缶やペットボトルの分別は、膨大な量との格闘です。しかし、緑あふれる公園内で、生徒は黙々と、時には楽しそうに、作業に取り組んでいました。本校から、いつも見ている御苑の緑。「奉仕」体験後は身近に感じることができるでしょう。
 
 
 
 
 
 ○7月26日(火)1年次生遠足
 3月11日の東日本大震災、原発事故等による様々な影響を考慮し、今年度は、1年次生の夏季休業中の学校行事である館山での臨海教室を中止にしました。苦渋の決断でした。残念に思っている生徒も多いことと思います。臨海の替わりにぜひ、学年が一つになって盛り上がることができる行事を、という生徒、保護者の皆様の声に応えようと、1年次担任団が企画したのが「富士山遠足」です。富士宮口(五合目)⇒宝永第一火口⇒宝永第二火口横の林間コース⇒富士宮へ戻るコースをたどり、私も引率しました。当日は、雨の予報でしたが、小雨に少々降られた程度であり、霧も少なく、下の写真のなだらかな上りの時などは遠くまで晴れ渡り、なんとも清清しい気分でした。宝永第一火口での昼食時に、ふざけてはしゃいでいる生徒たちに囲まれ、富士山の自然、空気にひたり、私も心が和みました。
 朝の集合時には、生徒たちが注意を受けていた場面もありましたが、その後は自覚が高まり、新宿高生としてふさわしい団体行動がとれるようになりました。1日の体験でしたが、確かな成長が見られました。遠足を行った意味は大きかったと、解散時の生徒たちの笑顔を見て実感し、安心しました。
 

 

 
8月1日(月)~8月4日(木)1年次生45分間泳 
  上記の7月26日(火)1年次生遠足で記したように、今年度は、1年次生の夏季行事である臨海教室を中止にしました。臨海教室の代わりの行事として、45分間泳を行いました(代替行事としては、上記のように遠足も行いました)。臨海教室における泳力と精神力の向上を何とか今年の1年次生にも培うことを目的として、特別に計画した行事です。内容は、プールで45分間泳ぎ続けるというものです。単調であり、時間も長く、海で泳ぐより難しいともいえます。この45分間泳を目指して、1年次生は水泳の授業をとおして練習を重ねてきました。体育科の先生方は6月以前から全員で、45分間泳の計画、準備、事前指導に多くの時間を費やしました。
  ここで、新宿高校の水泳授業について少し紹介したいと思います。本校では、体育の授業における水泳指導を他校より一段と重視しています。6月から9月まで、全学年の生徒が体育の時間、毎時間、一度に2クラス80名がプールに入り、すべて水泳授業を行います。普通、一度にプールに入るのは1クラスであり、同時間に他クラスはグラウンドか体育館で別メニューの体育授業、というのが一般的なのではないでしょうか。2年次はバタフライ全員、3年次には、すべての生徒が「個人メドレー」ができるまで、上達させることを目指すというレベルの高さです。80名の生徒が一緒にプール授業をしているのを授業観察で見ましたが、その勢いとエネルギーに圧倒されました。開始チャイム前には既に水着姿でプールサイドに整列し、準備体操をきびきびと行っている姿は、とても誇らしく感じられました。
  本番の45分間泳は、4日間、午前8:30~、11:00~、1クラスずつ行われました。体育科、クラス担任の先生方等の見守る中、見学する私たちにも、45分間はとても長く感じられました。45分経過した合図とともに、拍手が鳴り、泳ぎきった生徒たちの顔は何とも晴れやかで、嬉しそうでした。感無量で泣き出す生徒もいました。プールサイドからずっと声をからし、時には一緒に泳ぎながら生徒たちを励まし続けてくれた水泳部のOB、OGの皆さんには本当に頭が下がります。心から、どうもありがとうという気持ちになりました。

 

 

 
 
9月10日(土)、11日(日)朝陽祭(文化祭) 
  運動会と並び、本校生徒全員が取り組む最大行事が朝陽祭(文化祭)です。今年の夏は、本校も節電を学校をあげて行いましたので(蛍光灯を計300本はずしました)、文化祭準備において夏休み中は教室使用の時間を守り、今まで以上にてきぱきと効率よく準備できたというのが先生方からの意見でした。
朝陽祭の今年のテーマは「今だけ見られる夢だから、頑張るだけの価値がある」です。文化祭実行委員会(生徒会の組織)が中心となって準備をすすめてきました。大規模な朝陽祭を企画・準備・運営するには、たいへんな努力と時間を要したと思います。お疲れ様でした。クラス参加は、1,2年次生は全クラス演劇。3年次生は5クラスがダンス、3クラスが食品です。舞台はどれもすばらしく、質の高いものでした。また、クラブ参加は音楽部、管弦楽部、軽音楽部、Jazz研究同好会、演劇研究部、ダンス部、チアリーディング部、生物部、化学部、料理研究部、茶道部、華道部、美術部、写真部、漫画研究部、放送研究部、弓道部でした。1年間の成果に加えて、朝陽祭のために用意した発表もあり、「これで終わらせるのがもったいない。再演、展示の機会が欲しい」と思った演目や作品が、複数ありました。その他、生徒会相談コーナー、図書委員会、2学年旅行委員会、PTAバザー・カフェ、バラ会、朝陽同窓会の展示等の参加もあり、多くの皆様に関心をもっていただき、楽しんでいただきました。部活動紹介パネル展示では、文化部、運動部ともに参加し(図書委も)、1階ホールを盛り上げていました(下写真)。新宿大賞は3年H組(ダンス「舞踏革命」)と2年E組(劇「ユタと不思議な仲間たち」)でした。他の出し物も、生徒の皆さんの創造力と熱意の感じられる出し物ばかりで、見ごたえある、充実した朝陽祭でした。来場者数は1日目2113人、2日目2883人と大盛況でした。ご来場いただいた保護者やご家族の皆様、新宿高校受験をご希望いただいている中学生と保護者の皆様に、心から感謝を申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

10月1日(土)~3日(月)勉強合宿(1年次生、2年次生のうちの希望者) 

  本校は2期制ですから、10月3日(月)は期間休業日になっています。土・日と期間休業日を利用して、1,2年次生の勉強合宿が行われました。1年次生は東京スポーツ文化館BumBに199名(通い参加生徒9名を含む)、2年次生は八王子セミナーハウスに149名参加しました。1日(土)はBumBに、2日(日)は八王子セミナーハウスに様子を見るために訪れました。1年BumBは江東区夢の島なので交通至便で、2年セミナーハウスは八王子から少々のバス乗車で着く、鳥の鳴き声が聞こえ自然と融合した環境の素晴らしい施設でした。両学年とも「5分前行動」を徹底させ、英数国の講習と、夜9:30までの自学自習という勉強づけの日々を経験しました。「受験は補欠なき団体戦」は進路に向けての本校の合言葉ですが、仲間と共に1日中勉強する機会をもつことで、精神的にも強くなれたと思います。この期間、勉強合宿に行かなかった生徒諸君も、宿題や苦手科目・分野と、しっかりと向き合えたことでしょう。さあ、(10月4日は開校記念日)5日(水)から後期が始業します。区切りをつけることで、学習へのモチベーションアップを期待しています。
 
 

 

        2年次生                 1年次生

 

10月25日(火)2年次生 分野別大学模擬授業 

  中間考査最終日の午後、進路指導部が主催して2年次生全員対象で行いました。3学年をとおした進路指導計画の一環であり、各大学の教授等をお招きし、専門分野の授業を行っていただき、生徒は自らの希望進路をふまえて事前に希望し、いずれかの授業を受けました。開講講座は10大学10講座(東大、東工大、東京外語大、東京農工大、東京電通大、東京学芸大、早稲田大、慶応大、立教大、明治薬科大)で、分野は多岐にわたりました。全体的に講義内容が良く、生徒の態度も良かったです。本校では1年次生から学部・学科調べやオープンキャンパス(大学訪問)、大学出張講義を計画的に実施しており、生徒は調査・体験学習を積み重ねています。将来の進路選択への意識を高めるための一助となる、有意義な大学模擬授業でした。
 
東京大学教養学部生命・認知科学科      東京外国語大学大学院総合国際学研究院
   松田良一准教授                                          田昭人准教授 
「筋ジストロフィーを治す」                         「異文化コミュニケーション」
 
 
12月21日(水)1,2年次生 合唱コンクール 
  第49回合唱コンクールが、新宿文化センター大ホールで開かれました。今年度のスローガンは「響け、はばたけ、かっとばせ!歌おう僕らの青春を!!」です。合唱コンクールのパンフレットに、以下のような校長コメントを載せましたので、紹介させていただきます。
 
 秋が深まってきた頃から、放課後、生徒の皆さんが2階保護者控室で合唱の練習をしている歌声が聞こえてきました。12月の考査後は人数が増し、ハーモニーが美しくなっていくのが分かりました。私も思わず、廊下を通るときに課題曲「花」を口ずさんだことがありました。皆さんの歌声に、自然と心が和みました。「集中と切り替え」は、新宿高校のキーワードの一つです。この言葉どおり、生徒の皆さんは短期間で一生懸命、勉強や部活動との両立に苦労しながら、各クラスの合唱の質を高めるための努力を続けてきたことと思います。さあ、いよいよ開幕です。堂々と胸をはって、練習の成果を見せてください。
 
  合唱コンクールの内容は、クラスごとに、合唱コンクール委員会(生徒会の組織)で決めた課題曲と、各クラスで選んだ自由曲を合唱するものです。今年の課題曲は、滝廉太郎作曲の「花」でした。
  合唱コンクールまでの準備としては、放課後を活用して、指揮者講習会、中間発表会が計画的に行われ、音楽科小峰先生の専門的なご指導もあり、合唱の技法を磨いてきました。合唱コンクール始めの校長挨拶では、「……新宿高校は、日常の学習も、学校行事、部活動も皆、‘団体戦’です。そして、この合唱というのが、クラスのチームワークという意味では、一番、全員の一体感が実感できる団体戦です。ぜひ、声をあわせて、心もあわせて、良い歌声を聞かせてください。……」と話をしました。
コンクールが始まり、各クラスの生徒が‘団体戦’の言葉どおり一丸となって練習の成果を発揮し、美しい歌声を聞かせてくれました。どのクラスもたいへん上手でレベルが高く、ハーモニーが不十分というクラスは一つもありませんでした。また、入退場の態度は、客席で席に座るまで皆、整然としており、礼儀正しく気持ちのよいものでした。また、各クラスの合唱に先立って、クラスの代表生徒がマイクの前に立ち、独自の紹介やPRをするのですが、楽しいギャグ風コメントで、会場内の笑いを誘うものもあり、プログラムは楽しく進行しました。
  審査結果(「 」内は自由曲の曲名)は、優勝2年D組「鉄腕アトム」、2位は2年G組「ヒスイ」、3位は2年F組「祝福」でした。2年次生が上級学年らしく、やはり上位を占めたとのことでした。1年次生の1位は1年C組「静かな雨の夜に」でした。1年次生の合唱も、新宿生として相応しい出来栄えであり、来年へのさらなる向上が期待される内容ばかりでした。
  最後は課題曲「花」を、会場の全員で合唱しました。下は、そのときの写真で、舞台上は優勝クラスです。私にとって、生徒の澄んだ歌声を聴く、心洗われる時となりました。前日までの準備や当日の進行等に携わった合唱コンクール委員会の生徒の皆さん、お疲れ様でした。また、ご来場いただいた保護者やご家族の皆様、外部からお招きして当日の審査をお願いした審査員の皆様に、心からお礼を申し上げます。

 

 

 
1月14日(土)、15日(日)3年次生 大学入試センター試験
3年次生にとって、いよいよ決戦のときがきました。多くの本校生は、成蹊大学(吉祥寺)が試験会場です。14日当日は快晴。身が引き締まるような寒さの中、試験が始まりました。本校では冬休みの12月23日(金)から自習室を毎日、開放していました(自習室は自由参加です)。大晦日、正月三が日も1日100人を超える3年次生が登校し、一緒に勉強しており、皆で受験に臨む「団体戦」としての雰囲気が、自然に盛り上がってきました。14日、15日両日の朝、3年次担任・進路部の先生方の有志が、成蹊大学の正門近くで、試験会場に入る新宿生を激励しました。私も14日、先生方と一緒に立ち、生徒に声をかけました。新宿生は皆、快活で落ち着いており、これなら平生の力が十分に発揮できると心強く感じました。 2日間を終えて、結果として、3年次生は304名がセンター試験を受験しました。(3年次生在籍325名) 16日(月)センターリサーチ(学校で自己採点と結果提出)の後、20日(金)は国公立二次試験に向けた決起集会が開かれ、センター分析報告と二次出願に向けた指導が行われました。2月25日(土)からは国公立大学前期試験、3月12日(月)からは国公立大学後期試験が実施されます。前期試験まで約1ヶ月、後期試験まで約2ヶ月あります。「これからだ、まだまだ伸びる、最後の最後までやり抜け!」と、先生方が励ましていました。受験生にとって今が正念場。辛く苦しい時期ですが、共に頑張ってきた新宿生ならば、この試練を必ず乗り切れると信じています。センター試験直前、1月11日の進路指導部発「進路だより」の最後の言葉をここに記し、センター試験報告を終了します。
 
  Where there's a will, there's a way.「意志のあるところに道は開ける」
        64回生の健闘を祈ります!
 

 成蹊大学(センター試験会場)

 
1月16日(月)~18日(水)2年次生 修学旅行
2年次生の沖縄修学旅行に引率しました。生徒が9月の文化祭で展示発表した、沖縄に関する様々な事前学習の紹介を兼ねて、修学旅行のしおり巻頭言として書いた文章を掲げます。
 
(ぬち)どう宝    
  4階の廊下を歩くと、様々な修学旅行に向けた課題研究が目に止まる。それぞれが力作である。生徒の皆さんの手書き、絵入りが楽しい。読み歩くにつれ、沖縄の風景や物語が、心に甦ってきた。
沖縄の自然のコーナーでは、コバルトブルーの海と真っ青な空を思い浮かべて、心が躍る。琉球王国のコーナーでは、首里城の鮮やかな螺鈿細工が、平泉中尊寺の金色堂にもあるというエピソードを思い出し、謎解きの心地になった。しかしすぐに、沖縄基地問題のコーナーで、厳しい現実を突きつけられる。名護市辺野古への米軍普天間飛行場移設を実現させるのか、固定化はないといえるのか。沖縄県知事は県外移設要求を変えておらず、難題を解決できる方策はあるのか。難しい点が少なからずあるが、国民として向き合わなければいけない問題である。最後に、自然のコーナーに戻った。イリオモテヤマネコやヤンバルクイナといった、絶滅の危機にある動物や鳥の写真を見ていると、南国の島である沖縄の地理的特異性を痛感させられる。ハイビスカスの花が数箇所、色鮮やかに挿絵として描かれている。沖縄と言えば可憐なハイビスカスであり、私も同感であるが、県花はデイゴである。デイゴは燃えるような赤であり、強さを感じる花である。この小さな島には、強烈な色彩と個性が、そして、喜怒哀楽の全てが凝縮されているような気がする。
  幾つもの顔をもつ沖縄の中で、私にとっては、沖縄戦の悲劇と、壕の中の湿った空気が何より痛切に思い出される。戦場となった島で、多くの住民が犠牲になった。時代・政治的背景と戦争の経過、戦乱の中で必死に生きた人々、亡くなられた人々の真実の姿について、現地での見学、資料館での閲覧や、現地の方々のお話を拝聴することにより、広く、深く学び、考えてきて欲しい。「命ど宝」という言葉には、沖縄県民の苦悩が込められている。いつも沖縄修学旅行になると思い出す句があるので、最後に記す。

 

   松風に淋しくやあらん岩枕  今宵夢路に訪ねてよ友

 

      (伊波園子「ひめゆりの沖縄戦」より)

 

        

  1月16日(月)修学旅行出発の日、羽田空港集合は午前7時でした。参加生徒322名全員が時間どおりに勢ぞろいし、気持ちよいスタートができました。1日目は平和学習として、ひめゆり資料館、糸数壕、摩文仁の丘、平和記念資料館を訪問しました。2つの資料館では、証言文を黙々と時間をかけて読み、壮絶な歴史と真剣に向き合う、多くの生徒の姿が印象に残りました。2日目、生徒は班別行動で、美ら海水族館、万座毛、体験学習(ガラス工芸)等、事前に計画したコースをまわりました。沖縄は1月、ずっと悪天候続きでしたが、2日目、3日目は快晴となり、美しい自然を満喫できました。夕食後は沖縄芸能であるエイサー鑑賞です。最後は生徒も教員も全員参加して、一緒にエイサーを踊り、大賑わいの夕べとなりました。3日目は首里城見学と、国際通り班別行動です。首里城では色彩豊かな建築物や彫刻、工芸品、衣装等を見学し、琉球王朝の栄華の時代に思いを馳せました。3日間の全行程をとおして、集合や食事等が時間厳守で進行し、生徒の中にしっかりと「自主自律」の精神が育まれていることを実感できました。最終日にホテルを出発する時、生徒の部屋を10数部屋、回ってみたのですが、どの部屋も驚くほど整然と片付けられていて感心しました。胸にジーンときた光景でした。
  修学旅行が終了すると、「3年0学期」の始まり。学習面でも、ますますの飛躍を期待しています。
 

 ひめゆりの塔、慰霊碑、第三外科壕        平和の礎(摩文仁の丘)

 

 

 エイサー(沖縄伝統芸能)              首里城

 

 

 

3月10日(土)卒業式 
 卒業式当日、午後からは雨もあがり、穏やかな春の風が心地よく感じられました。ご来賓の方々、たくさんの保護者の皆様にご参列いただき、心に残る卒業式を挙行することができました。当日の校長式辞を紹介させていただきます(冒頭の挨拶部分はここでは割愛いたします)。
 
昨年は、三月十一日に東日本大震災が起こり、現在なお復興が続いています。大震災、原発事故等によって、自然災害や放射能の脅威を実感しただけでなく、防災の重要性、地域・仲間や家族の絆、そして生きることの意味について、深く考えさせられた年でした。明日、震災から1年を迎える今、被災地への想いと、復興への願いを、あらためて胸に刻みたいと思います。
さて、ただいま卒業証書を授与しました、323名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんは、本校を卒業し、新しい世界へ旅立ちます。高校時代の三年間は、様々な学習やホームルーム活動、学校行事や、部活動に、全力をあげて取り組んできたことと思います。皆さんの学校生活を思い起こすと、まず印象に残っているのは、今年の運動会と文化祭です。運動会では、競技での力強い活躍はもちろんですが、三年生のリードを中心に運営・進行がてきぱきと進み、体育委員会を中心とした生徒の動きは、今までで一番、と先生方から賞賛されました。9月の朝陽祭でも、食品、ダンスといった皆さんのクラスの出し物や、文化部の発表・展示は、どれも質の高いものでした。本校の学校行事は、その準備も、勉強との両立を第一とし、限られた時間の中で行っています。3年間をとおして、計画性、協調性、創造性、といったすべてが、磨かれ、高められた成果といえるものです。
 
一方で、学習面を振り返ると、印象に残っている、自習室の風景があります。6月2日の、戸山戦が終わり、数日後の放課後、皆の自習室に行くと、ドアを開けた瞬間、しんと静まり返った緊張感に、驚きました。戸山戦が終わると、受験モードに突入、このことは、皆さんが、無言で示してくれました。私にとっても忘れられない、嬉しい瞬間でした。
そして、多くの皆さんは、受験の準備で、夏、秋、冬の日々を駆け抜け、今日を迎えました。
卒業後、皆さんは、自分の力で、あらゆることに立ち向かっていかなくてはなりません。そのようなときに必要な、三つの力について、次に話しておきたいと思います。今から話すことは、PTA会報にも書いたことです。
私には、自分の恩師から繰り返し言われた言葉があります。「あらゆることに立ち向かうときに大切な力は三つだ。継続力、集中力、競争力である。」と、いつも言われていました。
皆さん、どこかで聞いたことがありませんか。予習・復習や文武両道の日々継続、本校の、合言葉である、集中と切り替え、そして学校行事や部活動での協力と競争。新宿生として、皆さんが三年間毎日実行してきたことと全く一致しています。大切なことは不変なのです。卒業すると、学校で学んだとおりに通用しないことは山ほどあります。しかし、新宿高校で培った精神は不滅です。友と声をかけあって励ましあった日々、肩を並べて黙々と勉学した日々の記憶と共に、培った精神はしっかりと皆さんの体内に刻まれているのです。三つの力を今後は皆さんにも、皆さんの体験と共に心の中でくり返し、思い起こして欲しいと思います。
さて、卒業生の皆さんに、もう一つ別の話をします。今年は辰年です。龍といえば、葛飾北斎、その、北斎の描く迫力有る「龍」の図が、様々に、取り上げられています。信州小布施の北斎館に保存されている、祭り屋台の天井絵が最も有名でしょう。
北斎は、江戸時代後期、江戸町中に居を構えていた浮世絵師です。北斎の「富嶽三十六景」などの作品は、ゴッホやマネ、モネなどの印象派の画家や、交響詩「海」を作曲したドビュッシー等に、影響を与えました。北斎は天才であり、あまりの破天荒ゆえ、範としての偉人とはならないでしょう。しかし、その八方破れな生き方は、痛快この上なく、作品群はどれも時代を超えて斬新であり、魅力的なものです。
北斎は、70歳を過ぎても、精力的な活動を行っていました。80歳の時に火災にあい、長年、書き溜めた、すべての写生帳を失うという悲劇に遭遇します。そのとき、北斎は、唯一、筆1本を握って、しばらくは割れた徳利を筆洗いとして、細々と絵を書いたといわれています。その後も、多くの作品を描き、90歳でなくなりました。最晩年の作品は「富士越龍図」という富士山と龍を描いた、出世を意味する、めでたい絵です。
物、は、失われることがあります。まわりの評価、価値観も、変わることがあります。しかし、そのようなことに、とらわれることはないのです。何が大切なのか、自分はどう生きるのか、その答えは、一人ひとり、皆さんが、自分で行動し、自分で考えて見つけてください。本校教職員一同、皆さんの前途を、心から応援しています。
 
卒業式は、厳粛な雰囲気の中で整然と行われました。卒業生の表情は皆明るく、輝いていました。前日の卒業式予行では、体育優良生徒、文化活動優良生徒等の表彰や、皆勤賞の表彰を行いました。3年間皆勤賞は24名であり、昨年度よりも増加しました。卒業生全員の未来に幸あれと、心から祈っております。
 
 

 

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